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去年の夏の終わりに夫が入院して冬に退院し、今年も夏が訪れました。
昨年秋、夫の再手術の2日前、息子が東京から帰省した日。 彼が妻と幼い子達を伴っているのを見たとき、てっきり息子だけ帰ってくると思っていた私は、感謝や喜びよりも当惑が先に立ちました。 何故なら当時私は、先の手術の不成功に打ちのめされていて不安定な、誰にも優しく接することのできない精神状態を持て余していました。
会った瞬間に、彼女は私の困惑の表情を見抜いたと思います。
私は彼女に言いました。 今の自分には気持にゆとりがなく、皆の世話や気遣いが満足にできない状態であること、そんな私に気を遣わずにどうか楽にしていて欲しい。食事の支度などは無理せずに出来あいを息子に買ってきてもらいましょうと。
それを聞いた彼女は、まっすぐな眼差しで、はっきりと言いました。 「大変な時に子連れで帰ってきて、かえって迷惑をかけるかと思います。でも私に出来ることを精一杯やりますから、何でも言いつけてください。」 初めて会って8年、その素直さ、優しさにはいつも驚かされます。
夫の手術も無事終わり、3泊して息子家族は帰っていきました。
その日帰宅して「母へ、父をたのみます−息子」の書き置きを読んでほろり。 そして驚いた事に、家中ピカピカに掃除をしてくれているではありませんか。 帰省の間、息子は屋敷周りの草取りと剪定、畑の草刈り、嫁さんは子守をしながらそれらの片付けと、慣れない作業にさぞかし疲れたことでしょうに・・・。 「有難う、今日はゆっくりして帰ってね。」と私は言い残して出勤したのに。 最初の言葉のとおり、二人は居る間、精一杯のことをしてくれました。
長い間同居嫁をした私は、些細な事で傷付け、傷付き合うのが嫁と姑の常、距離を保とう、子供家族に甘えてはいけないとずっと自らを戒めてきました。 けれど彼女は、会うたびに心を開き、嬉しい感動をくれる、そして私には苦しい時、駆けつけてくれる暖かく頼もしい家族がいる。
息子一人で帰って来て欲しかったなんて、私は何と罪なことを・・。 心狭い自分への後悔と、二人への感謝で張り詰めた心が融けたひとときでした。
この夏は再び穏やかな夫婦の生活、健康の有難さをしみじみ感じています。
私のささやかな家族自慢となりました、読んでくださって有難うございました。
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